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279号 2009年6月16日発行
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特養における介護職の医療行為を認めモデル事業を開始
 6月10日、厚労省において介護職が行う医療行為の検討会を開き、たんの吸引やチューブを通して流動食を取り入れる経管栄養の2業務について基本的に認め、年内にガイドラインを作り、「モデル事業」を行い、安全性を確認した上で来年度から実施をすることを了承した。「特別養護老人ホームにおける看護職員と介護職員の連携によるケアのあり方に関する検討会」は今年2月から特養の介護職が行う医療行為について検討してきた。
資格がない介護職員が特養の入所者に、たんの吸引、経管栄養などの医療行為をするのは違法行為にあたる。医師法の第17条で規定している医業は、医療行為を業務としてとらえている。不特定多数の人に業務として医療行為を行うもので、例えば、インスリンの自己注射や家族から注射してもらう行為は業務に当たらない。そのため、在宅医療においては糖尿病患者がインスリン注射をしたり、家族に注射してもらっても、医業にはあたらない。看護師は医師の指示があれば医療行為を行うことができるが、介護職員には、医師や看護師の指示があっても医療行為を行うことができない。

高齢者の増加は医療依存度の高さに比例

 医療機関に従事する医師、看護師の人材確保が急迫するという状況、高齢者が増加する推計、平均在院日数の短縮化、療養病床の削減などで、医療依存度の高い要介護者が在宅、施設にあふれることが予測される。そのため、2003年3月にはALS患者の在宅療養での家族の負担軽減を図るため、一定条件で家族以外の者のたんの吸引を許すことにした。その後、平成17年には医師法、保健師助産師看護師報の解釈通知で、爪の手入れ、座薬挿入などの医療行為でないものが示された。
 特別養護老人ホームは、要介護度の高い高齢者の生活の場として存在してきた。2000年度のスタート時には入所者の要介護度は軽度から重度まであったが、2006年の省令改正で要介護度4、5の高齢者を優先的に入所させるルールが確立した。要介護度の重度化は必然的に医療依存度の高さも示している。

夜間の特養看護職員は2?3%
 厚労省は昨年9月〜10月にかけて「特養における医療的ケアに関する実態調査」を行い、3370施設から回答を得た。9時から5時までの昼間帯に「看護職員がいる」と答えたのは3316施設(99.8%)とほとんどの施設で看護職員がいる状況だが、深夜帯22時から6時では87施設(2.6%)、準夜帯20時から22時では112施設(3.4%)と極端に少なくなっていることがわかる。
 特養で行われる医療ケアでは、「服薬管理(麻薬の管理を除く)74.6%、「経鼻経管栄養及び胃ろうによる栄養管理」9.9%、「吸引」5.3%、「創傷処置」4.6%、「浣腸」3.7%、「摘便」3.7%となっている(複数回答)。
 吸引については、「咽頭手前までの口腔内」を実施する者は87.0%、「鼻腔」は51.8%、「咽頭より奥・気管切開」は31.1%であった。
 経管栄養では経鼻経管栄養の実施回数は3回/日95%が最も多くなっている。
調査を検討するにあたって、検討会の委員から、違法行為である介護職の医療的ケアの実態を調査することになったため、実態とはそぐわないとする委員の評価もあった。医療関係者からは医療行為ができる施設を増やすことが先決との意見が大勢を占めた。
 昨年11月に公表された「安心と希望の介護ビジョン」には、経管栄養、たんの吸引などの医療行為のできる「療養介護士(仮称)」の新設が盛り込まれたが、今回の検討会の裁定により、介護職の医療行為が認められ、違法行為からも解放される。介護福祉士養成課程の見直しや介護職員レベルアップの施策に従って介護業界の見直しが行われる。

 


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